循環器内科
当科の対象疾患は、主に狭心症、心筋梗塞、心不全、不整脈、心筋症、大動脈弁狭窄や僧帽弁閉鎖不全などの心臓弁膜症、心外膜疾患、大動脈瘤、大動脈解離、腎動脈狭窄、肺塞栓症、下肢静脈血栓、下肢動脈血流障害です。
なかでも、冠動脈疾患である狭心症、心筋黄梗塞や大動脈解離は、迅速な診断、治療が極めて重要で、そのタイミングが遅れれば、直ちに生命が危険となる可能性の高い疾患です。
検査・治療について
冠動脈病変や大動脈病変を迅速かつ確実に診断するためには、外来において簡単に30分程度でできる冠動脈造影CTや大動脈造影CTです。
もし、冠動脈に治療必要な病変を見つければ、速やかに1泊2日入院でカテーテルによる冠動脈造影を行い、必要であれば病変部に金属のステントを留置します。翌日からは、普通に生活できます。
また、大動脈解離、大動脈瘤で外科的治療が必要であれば心臓血管外科のある病院に速やかに紹介いたします。
冠動脈病変の重症度は、単に造影CTやカテーテルによる冠動脈造影所見だけでなく、冠動脈の内部から血管内超音波(IVUS)や光干渉法断層法(OCT)にて解剖学的な狭窄程度や動脈硬化病変の性状を精査し、冠動脈血流予備量比(i-FR)にて狭窄のある冠動脈内の圧力を計測して虚血の重症度を判定し、総合的にステント治療の必要性を判断します。
心臓の機能、形や心臓弁膜症、心嚢液貯留を診断するためには心臓超音波診断装置を用います。外来で行う30分程度の簡単な検査で、特に心不全の重症度の判断に有効です。
この超音波検査はいわゆるエコノミー症候群の原因である下肢静脈血栓の有無も容易に診断できます。
また、急性心不全や心原性ショックで薬物療法では治療困難となれば、人工呼吸器の使用や大動脈バルーンポンピング(IABP)、経皮的心肺補助装置(PCPS)、体外式膜型人工肺(ECMO)等で弱った心臓や肺を補助する人工ポンプによる補助循環装置も導入しております。
不整脈について
不整脈は、いわゆる12誘導心電図だけでなく、ホルター心電図(24時間、3日連続や2週間連続)のみならず、植え込み式で3年間の連続心電図記録も可能です。不整脈の診断に応じて、抗不整脈剤の投与、電気的徐細動、MRI対応のペースメーカー植え込み施行、また心筋焼灼術(アブレーション)も簡単な症例は当院でも施行しております。ペースメーカー植え込み後のチェックは臨床工学士にて定期的に半年ごとに行っております。
リハビリについて
最近では、心臓リハビリが一般化され、当院でも5年以上前から開始しております。単純に運動負荷をかけるのは、心臓や肺に疾患のある患者様では負荷中の状態急変などの危険性が高く、リハビリ導入開始の前には、必ず運動負荷心電図(エルゴメーター負荷心電図)を用いた心肺運動負荷試験(CPX)の施工を患者様にお勧めし、心肺を含めた全身の運動耐容能を診断し、それぞれの患者様に合わせた至適な運動負荷にてリハビリを行っております。もちろん、リハビリの効果を判断するためにも、経時的に繰り返し効果を検討します。
患者様へ
心臓疾患は急変の可能性が高く、早急な対処が必要とされます。当院では、患者様に24時間365日対応しており、急変時には患者様や家族の方の自己診断でなく、何時でも、夜中や休日にかかわらず、まず病院に電話連絡をして相談していただくように説明しております。連絡を受けた場合は、どのように対処するかを検討し、場合によれば直ちに来院していただくか、当院で対処できない場合には、適切な病院をご紹介しております。
医師紹介
立石 博信(副院長)
重原 幹生(常勤)
高畑 修治(非常勤)
通常外来 担当診察日
月曜 | 火曜 | 水曜 | 木曜 | 金曜 | 土曜 | |
午前 9:00~12:30 (受付時間 8:30~12:00) | 立石 博信 | ‐ | 立石 博信 | ‐ | 立石 博信 | ‐ |
午後 14:30~18:00 (受付時間 14:00~17:20) | ‐ | 重原 幹生 | ‐ | ‐ | ‐ | ‐ |